BRM903東京600ぐるっと安曇野8 通過チェック7まで

ブルベ

杖突峠での再会

セブンイレブン伊那中央店を出発すると、長い長い登りが始まった。
杖突峠のスタートだ。

むかし、人々がこの急坂をを突きながら登ったことが「杖突峠」の名の起こり

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%96%E7%AA%81%E5%B3%A0

と言われているとおり、なかなかの斜度でもある。
天候は良く、車通りも多くはない。
景色も変化があって美しく、普段なら楽しんで登っていけそうな、そんな峠だ。

痛む右膝を庇いながらペダリングをする中で、この頃には左膝も痛み始めた。
ロキソニンを1錠飲んだ。
痛み止めとしてロキソニンを飲むのは人生始めての気がする。

少しでも痛みが和らぐよう時々ロードバイクを降りて、サドルの高さと前後位置、角度を調整する。
サドルバッグを外さないと調整できないから貴重な時間が奪われてしまう。
とはいえ、痛みをさらに悪化させて走れなくなってしまってはゴールにたどり着けない。

結局、サドル高さをかなり下げ、サドルを後ろに引く形で落ち着いた。

えっちらおっちらと進んで行く。
すると、左手のバスの屋根付き停留所に見知った姿を見つけた。
ノグさんが休憩していたのである。

「おお!」
と手を上げて挨拶をする。
あちらも手を上げて応えてくれた。

立ち止まってお互いにエールをかけたいところだけど、時間と体力がギリギリで余裕がなく、そのまま登っていった。

絶景の茶屋

杖突峠の茶屋

どうにかこうにか登りきった。

今回のブルベ最高の絶景、汗を流して苦労したからこそ、その価値は増す

「蕎麦」の文字の踊るのぼりが目に入り、吸い込まれるように峠の茶屋にピットイン。
本格的にロードバイクを乗るようになってから、なぜか蕎麦やうどんが好きになった。
消化しやすいからだろうか?

絶景を見下ろせる最高のロケーションで蕎麦

平日だったこともあって店内は空いていて、すぐに座ることができた。
ブルベで着用が義務付けられている反射ベストが珍しいからか、店員さんに話かけられた。
こういうことはよくある。

「どこから来たんですか?」
「神奈川の武蔵中原から来ました。今400kmくらいですね」
「何日かにわけて旅行されているんですか?」
「いえ、昨日の6:40に出発しました。今晩の22:40までに武蔵中原に帰ります」
「ええええっ!?」

というリアクションを頂けた。
こうやって驚いてもらえるのは楽しい。

後からもう一種類蕎麦が追加された

手早く蕎麦をすする。
つけ汁の塩分が大量の発汗をした体に嬉しい。
ボトルに水も補給させてもらえた。
次回はぜひレモンうどんも食べてみたい。

この頃、twitterのDMでノグさんからメッセージが届いた。
DNF(Did not finish、リタイアの意味)することにしたそうだ。

現在390kmほどの地点。
ここからは完全に一人旅ブルベとなった。

ダウンヒルを終えて一眠り

走行を再開すると、まずは道も綺麗で走りやすいダウンヒルだった。
そこからは山梨県南アルプス市の市街地を抜けて平坦路を走っていく。

南アルプス市は町並みが綺麗で車通りも多くなく、のんびりとした雰囲気。
ああ、こういうところに住むのも良いなぁ、と思いながら走っていると、猛烈な眠気がやってきた。

天気も良くて、近くを流れる川のせせらぎも心地よく「ああ、こりゃグッスリ眠れるわい。あと5分…あと5分…」と思っていたが、そんなことしている余裕はないので、なんとか体を起こして再びサドルにまたがる。

ここでの20分仮眠は正解だった。
眠気が嘘のように吹き飛んだ。

ラストPCに到着

再び市街地を走っていき、とうとう最後のPC「ローソン 富士川増穂インター店(455km地点)」に到着した。

ラストPCのレシートを入手。

8時間で残り150kmほど走れば間に合う。
グロス平均18.75kmの計算。

うーん、厳しい。
状況は悪化している。
ここから若彦トンネルまでの最後の登りが始まるから、さらにペースは落ちるはずだ。

けど、それを超えれば、後は武蔵中原までは下り基調になる。
そしたら巡航速度が大幅に上がるはずだ。

そこに一縷の望みを託し、ラストPCを出発した。

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