PC2であるFougeresでスタンプをもらった後はさっさと出発。
Fougeresでレストランを利用していない。
食事をどうしていたかは思い出せない。おそらくカフェでガレットを食べていたような気がする。
他のPBP参加者のブログを見ると、みんな詳細にどこで何を食べたか記憶していて驚く。
明るくなっていて眠気は飛んでいたけど、やはり疲労はしっかりとあって、それが記憶に影響しているのかなと思っていたり。
GoProで雑な記録になりながらも走行中の様子を動画撮影していてよかったとしみじみ思う。
さて、それでは最初の仮眠をとれたSaint-Nicolas-Du-Peleまでの道のりを書いていこう。
夜が明けたのでここからは綺麗なフランスの田舎風景をたっぷり楽しめます。
- 快晴の2日目
- ポニーテールをなびかせて走る女性ローディーの格好良さよ
- スーパーで栄養分を補充
- PC3「Tinténiac」到着、正直あまり記憶がない時間帯
- テールライトの蓋は飛んでいかないようにしっかり固定できるものを
- WP「QUÉDILLAC」到着
- SUPER Uはトイレが素晴らしい
- 救急車を見かけるようになってきた
- カステラ(?)やコーラをくれる私設エイドも
- こころなしか勾配がキツくなってきた
- PC4「Loudéac」到着
- Loudéacのスーパー「Netto」で補給
- 夕暮れがやってきた
- 仲良し一家の私設エイドで紅茶をもらう
- シークレットPC現る
- Saint-Nicolas-Du-Pele到着
- 次回は折り返し地点のBrestまで
快晴の2日目
ベルの音に送られながら走る。
PBPは幅広い年代のフランス人に応援されていて、小さな女の子も声援を送ってきてくれる。
こういう環境だったら、そりゃー強い自転車選手がたくさん排出されるよなぁなどとしきりに思う。
空は快晴。
気温はGarminのログを見る限り30〜33℃ほど。
他の参加者からは「暑すぎた」という声をよく聞いた。
僕個人としてはフランス出発前に日々埼玉県飯能市の山に真っ昼間の37℃の気候の中トレーニングしていたから、暑熱順化が完全に仕上がっていた。
渡仏してからもがっつり試走をしたことで気候に慣れていたこともあって、言われるほど暑いとは感じなかった。
気候は乾燥しているので汗がしたたり落ちるということはなく快適。
ただ、体内の水分はしっかり失われていっているので、喉の乾きは頻繁に感じた。
ポニーテールをなびかせて走る女性ローディーの格好良さよ
いやー、格好良い。
また走りがこなれているところが良い。
2023年のPBP全体6749名における女性の参加者は497名。
7.3%が女性でした。
PBPに出てくるだけあって皆さん速かった。
なお、後日pbpresults.comで調べてみたところ、PBP参加者が多いヨーロッパで女子ローディー率が高いのはイタリアだった。
意外だったのはアジア圏の国のほうが女子ローディーの参加率が高い。
日本は10%超えているし、
タイにいたっては17.8%だ。
参加人数はまだ多くないけどシンガポールはなんと24.3%も女子ローディーでした。
スーパーで栄養分を補充
途中でランドヌールがわちゃわちゃ集まっているパン屋さんを発見。
入ろうと思ったけど混んでいるなーと思ったら隣にスーパーがあるじゃないですか。
そちらに移動してパイナップルジュースをがぶ飲み。
すると疲労が一気に抜けた。
さらにレッドブルで眠気を蹴散らす。
こういうエナジードリンクは日本だと高いけど、フランスだとそのほかのジュースに比べた場合、高くはない。
栄養満点なバナナをその場で3本、残りはトップチューブバッグに閉まって移動。
ヘタの部分がトップチューブバッグからはみ出していたのはご愛嬌だ。
PC3「Tinténiac」到着、正直あまり記憶がない時間帯
GoPro動画を確認していたんだけど、自分のコメントが何も入っていなくて、なんでこの瞬間を録画していたのかがわからないものが多数。
スタートから仮眠ゼロで走り続けているのでおそらく疲れが溜まってきていたのかも。
適当なトレインについてみたり、追い越してみたり。
教会前のラウンドアバウトを走り抜けたり。
景色を楽しみつつ午後1時ころにTinténiacに到着しました。
走り自体はトラブルもなく順調に進んでいた気がします。
ここもPCなので参加者でごった返しています。
なので、スタンプだけもらって素早くリスタートしています。
ログを見返してみると停車時間は20分でした。
テールライトの蓋は飛んでいかないようにしっかり固定できるものを
よく見ると前を走る男性のテールライトの蓋が吹っ飛んでライトがむき出しになっている。
ブルベあるあるな光景ですが、気をつけたいもの。
僕は鉄板商品だと思いますが、キャットアイのTL-LD180を2つ着けています。
これの蓋が振動などで飛んでいったことは今のところなし。
WP「QUÉDILLAC」到着
正直ここのあたりは記憶があまりないエリア。
時系列でPBPを記憶できない病に侵されていたらしい。
1時間ほど滞在していたので、たぶんご飯を食べて一休みしている。
SUPER Uはトイレが素晴らしい
SUPER Uはフランスのスーパーマーケット。
とにかく広くて品揃えが素晴らしい。
PC4「Loudéac」を目指すルートの途中で、「Saint-Méen-le-Grand(サン=メアン=ル=グラン)」という町があるのだけど、そこでPBP参加者向けに手書きの看板があった。
「右折するとSUPER Uがあるよ、トイレ使えるよ!」ということらしいので行ってみた。
フランスのスーパーはトイレの貸出に厳しいところもあり、常時施錠されているから店員からトイレの鍵を借りないといけないところもある。
ところがこのSUPER Uは誰でも利用OKだ!
しかもトイレが広くて清潔。
PBPの走行ルートから少し奥まったところにあったから、競合相手のランドヌールも少なく、快適なトイレタイム(大)を取ることができた。
ありがとう、ありがとうSUPER U。
トイレと買い出しを済ませて駐輪場に戻ると別のランドヌールの自転車が一台増えていた。
スーパーは本当に重宝する。
当然夜になると閉まってしまうから、昼間のうちは積極的に利用したい。
不足しがちな野菜もスーパーで手に入る。
僕はズッキーニを買ってボトルの水で洗って、ハムを巻いて食べていた。
他にもドレッシングのかかったサラダも安価に手に入る。
タンデム車
二人で1220kmをタンデム車で走りきったら、これはもう素晴らしい思い出になるでしょうね。
あの世にいくまでずっと二人で話せる思い出話になるのは間違いない。
勝手な思い込みですが、PBPにタンデム車で出場するような夫婦は離婚しない気がする。
救急車を見かけるようになってきた
たぶんこの時が今回のPBPで最初に救急車をみかけた瞬間。
この地点で400kmくらいだけど、夕方スタート夜通しライドで体の疲労が大きいから落車や事故も起こる。
以降、救急車はしばしば見かけることに。
カステラ(?)やコーラをくれる私設エイドも
ありがてえ、ありがてえ。
ランドヌールはコーラ大好きな人が多い。
メルシー・ボクー!
水以外の食料などをもらった場合はお金を払おうとしたのだけど、現金は「No, No, No」と言われて断られることが多い。
こころなしか勾配がキツくなってきた
ダンシングで登る人もちらほら。
ブレストに向かうほど坂の勾配がキツくなってきます。
脚ついて休んでいる人も見かけた。
PC4「Loudéac」到着
たくさんの人が拍手してくれます。
ここでもササッとコントロールでスタンプをもらいます。
Loudéacもまたランドヌールで賑わっており、見るまでもなくレストランは混んでいるかと思ったので滞在時間わずか15分で出発しました。
Loudéacのスーパー「Netto」で補給
LoudéacのPCに入る前に見かけていたスーパーに飛び込む。
閉店時間が近かったのですが、幸い僕の買い物は間に合った。
レジに並んでいたとき、後ろの女性と話していたんだけど、旦那さんがPBPで走っているらしい。
奥さんのほうはサポートカーを運転してPCごとに食料やらを渡しているようだ。
いやぁ、PBPガチ勢ですね。
フルーツジュースは飲むと疲労回復になる気がしてガブガブ飲んでいた。
スーパーでの休憩で30分ほど停車。
夕暮れがやってきた
綺麗な夕焼け。
フランスの夏は太陽が出ている時間が長く、21時を過ぎてようやく日が沈む。
疲労と眠気がそろそろピーク。
夜が来ると一気に眠気がやってくる。仮眠予定のSaint-Nicolas-Du-Peleを目指して頑張ってペダルを回す。
仲良し一家の私設エイドで紅茶をもらう
水をもらおうと立ち寄ったら、ふわふわのカステラ(?)はくれるは紅茶は選ばせてくれるはのおもてなし。
イッヌも人懐こくて可愛かった。
ネッコもいてカステラ(?)を狙っていた。
いろいろもらったのでお礼に日本から持ってきたパック味噌汁を一つプレゼントしてきた。
現地で配布するお土産を用意してきていないので、僕が渡せるものは補給食などになる。
シークレットPC現る
事前に告知されていないPC、それがシークレットPC。
参加者がちゃんと規定のルートを走っているかチェックするためのもの。
スタートからだいたい480kmほどの地点「Canihuel」で現れた。
ボランティアスタッフの方が呼びかけて教えてくれる。
案内されるままコントロールに向かってスタンプを押してもらう。
滞在時間はわずか7分。
あとわずかで仮眠予定のWP「Saint-Nicolas-Du-Pele」なので、一刻も早く走りきりたかった。
シークレットPCを出ると美声を響かせて歌っているおばちゃんが二人。
楽しそうに歌っている姿が素敵だったので、手放しして拍手しながら横を駆け抜けた。
Saint-Nicolas-Du-Pele到着
ここはWPなので、PCと違ってそれほど多く仮眠所の利用者はいないだろうと見込んで、仮眠所にしようと決めていた場所。
ここで6時間くらい停車している。長いな。
睡眠時間自体は4時間もとっていないと思うけど、仮眠所の利用が初めてなのでいろいろ手間取ったようだ。
仮眠所
すでに記憶が朧げなんだけど、たしか5ユーロだったか7ユーロだったか。
タオルを借りるかどうかで2ユーロ変わる。
支払いを終えると起床時間を聞かれる。4時間後に起こしに来てほしいと伝えたと思う。
体育館のようなスペースにキャンプ用のコットのような寝床が用意されていた。
僕が訪れた8月21日23時頃は使用率50%といったところ。
自由に好きなコットが使えるわけではなく、受付のおばちゃんが指定のコットまで案内してくれるのでついていく。
真っ暗な室内に入るとおばちゃんが何事かフランス語で話し、僕の靴を指してくる。
どうやら靴を脱ぐよう言っているようだ。
ビンディングシューズの立てる音が睡眠の邪魔にならないようにということだろう。
素直に指示に従おう。
コットには不繊維布のシートが敷かれていた。
使用者ごとにシートを取り替える運用だろう。
毛布やブランケットはないが、室内に暖房がかなり効いていたので眠れないことはない。
仮眠所室内はあまりに真っ暗過ぎて手元が全然見えない。
リュックサックの中から石鹸やタオルを取り出すのは苦労する。
できれば仮眠所で料金の支払いを行う前に必要なものはすぐ取り出せるよう工夫しておいたほうがいい。
ロッカーなどはなかったはずで、荷物はコットの下に置いておくことに。
シャワーを浴びに行くときの荷物の置き場所に非常に困る。
シャワー
最低限の貴重品とタオル、そして石鹸だけ持ってシャワー室へ。
これが結構カルチャーショック。
脱衣所は広いんだけど、ロッカーや棚などはない。
壁にカバンやタオルを吊るせるフックとベンチがあるだけ。
地面はビショビショに濡れている。
脱衣所と一枚の壁を挟んでシャワールームに繋がっている。
そちらに向かうと天井から3本の鎖がぶら下がっていた。
利用者ごとに仕切りの壁やカーテンなどはない。
僕だけではなく、他の国のランドヌールも使い方が不明なのか、恐る恐る鎖に手を伸ばしてとりあえず引っ張ってみる。
すると天井からお湯が降ってくる。
勢いは弱めだ。
鎖を引く手を緩めると即座にお湯が止まる。
全裸のランドヌール達がその仕組みに「オーゥ…」と言っている姿はなかなかに滑稽だった。
とはいえシャワーはやはり気持ちいい。
乾燥しているからウェアが汗で湿って気持ち悪いということはないとはいえ、夜通しで24時間以上ライドしている。気持ちよくないわけがない。
受付で渡された不繊維布のタオルで体を拭き、それを腰に巻いてベッドに戻った。
いざ仮眠
コットに横になる前に20000mAhのモバイルバッテリーでライトやスマホに充電ケーブルを指しておく。
サイコンやGoProの充電は短時間で終わるから、食事休憩などのタイミングで充電している。
GarminWatchのバイブレーションアラームをセット。
周囲のいびきはかなり聞こえるので持ってきた耳栓を装着。
目を閉じると2秒くらいで電源のスイッチを切るかのような早さで眠りに落ちた。
あの疲労度なら耳栓はなくても眠れたかもしれない。
…………
3時間後。
GarminWatchがブルブルと震えている。
目はスパッと覚めた。
ぼんやりしているとボランティアの方がお越しに来てくれた。
おお、ほぼ指定時刻どおりだ。ありがたい。
さて、着替えて出発しますか。
と、2日めのウェアを入れておいた圧縮袋を手にとって衣類を取り出すと……
OH MY GOD。
圧縮袋は防寒用装備を詰めたものだった。
サドルバッグから間違った圧縮袋を持ってきてしまったのだ。
2日めの衣類を駐輪所に置いてきてしまった。
どうする?
一日目のウェアをひとまず着るか?
いや、せっかくシャワーを浴びたのにそれはちょっとな…
不幸中の幸いというか、この圧縮袋にはインナータイツが入っていたので、下半身はそれを履いた。
上半身もモンベルのジオラインアンダーウェアが入っていたのでそれを着て、その上からユニクロのウルトラライトダウンベストを羽織る。
ちゃんと見られたら変態的な服装なんだけど、時刻はまだ04:30。太陽が登っていない。
いける!
ということで、サササッと仮眠所を後にして自転車のところまで戻り、大急ぎでサドルバッグから2日めのウェアに着替えました。
いやー、恥ずかしかった恥ずかしかった。
教訓、仮眠所に行く前に手持ちの荷物の整理と確認はしっかりしよう!
レストランが空いていたので朝食を簡単に済ませ、リスタートした。
次回は折り返し地点のBrestまで
仮眠をとって体力回復。
GarminWatchのボディバッテリーは5ぐらいしか回復していないけど、残りボディバッテリーが5になってからがブルベは勝負!