スタート – 1日目
特Pを使って予約した駐車スペースは三島駅から1kmほど離れたところ。
5:00AM頃に車から出発の準備を終え、最寄りのすき家で朝食を済ませた。
三島駅北口は早朝のため、人通りはまばら。
指定の構図で時計台とともに相棒を撮影し、4月29日の06:00AMにSR600 S.K.Y.Lineを開始した。
制限時間は60時間なので、ここに5月1日18:00までに戻ってくればランドヌール部門で完走となる。

市街地エリアはすぐに終わり、朝もやと朝日がきれいな景色が広がってきた。
体調は良好。疲労を感じることもなかったし、相棒とのペダリングにも抵抗を感じることなく快調な滑り出し。

新天城トンネル(標高664m)は気がつけば終わっていたという印象。
そこからのダウンヒルは楽しかった。
キューシートにも書いてあるダブルループ橋。

これを下るのが実に気持ちよい。
路面もきれいなループを一定角度にバイクを傾けて曲がり続けるというのは、なかなか公道でできない経験。
下り終えた平坦区間ではバスの追いついてしまったのだけど、このバスの排気ガスがモウモウとすごくて、気管支へのダメージが気になるレベルだった。
世の中環境に優しい車だけになって欲しいなぁと祈りつつ、距離を広めに開いてじっと耐えつつ進む。

海岸線沿いに出ると相模灘の透明度の高い海と絶景が迎えてくれてテンションあがってくる。

コントロールである尾ヶ崎ウイング案内板にはウクレレを弾くおっちゃんがおり、レゲエな雰囲気を演出していた。
伊豆はどことなく南国な雰囲気が漂っている。

伊豆は裸婦像で溢れている。
風がかなりすごい pic.twitter.com/ylhSorPNj8
— Moto@BRM621群馬600新潟 (@norabalwks) April 29, 2025
伊豆エリアはコーナーを曲がった途端に暴風が吹き荒れていることがある。
体重が重く、ローハイトのアルミホイールZONDAを使っている僕でも揺さぶられるほどの風なので、気を付けてほしい。


アロエソフトクリームを食べて一休み。
伊豆は冬も雪が降らず、アロエの栽培に適しているそうだ。
アロエのお茶もいただいた。
自転車でどこに行くのか店員のおばさまに尋ねられたので素直に説明したら、真顔で「バカだね」と言われた。

道端に自生しているアロエ。

道端の野花に心打たれて足をつく。
花を愛でるランドヌールであり続けたい。

伊豆の激坂をパニアバッグに大量の荷物を詰めて登っていく外国人自転車乗りさんと片手を上げて挨拶してすれ違う。良い旅を。
伊豆を本格的にぐるりと走るのはこれが初めてだった。
噂に聞いていたとおりのアップダウンだ。
登りに適応するべく時折停車して六角レンチでサドル角・前後位置、高さの調整。
ハンドル角度も微妙に送ったり、しゃくったりする。
これから先の長期戦で体に痛みを出さないよう、自重だけで坂が登れるよう調整を何度か行った。
ブルベのポジション調整はブルベ中に行うのが僕のやり方。

この日はぶっちぎりに快晴なので遠くにうっすら富士山が見えてきた。
井むらさんで昼メッシ。
ルート上に人権とともに落ち着いて食事ができる場所は限られているので、迷わず吸い込まれておく。

カウンター席に座り、大将のおすすめに従ったら超速で上記の食事がでてきて助かった。
手早くガツガツと胃袋に収納しつつも大将とお話を楽しむ。
ソロでSR600に参加すると、会話がなさすぎて人間性を喪失しかねないので、こうした会話はかなり助けになる。
ごちそうさまでした。美味しかったです。

西伊豆町を離れると、そこからが伊豆ステージの山場が始まる。
補給路のない道をエッホエッホ。

仁科峠の頂上では伊豆の山々が見渡せて息を呑む美しさ。
で、ここから若干のダウンヒルを過ぎてからの西伊豆スカイライン。
ドライビングの名所。
ここは景色は最高なのですが、バイクや車で危険走行している人をしばしば見かける。
爆音が近づいてくるたびにこちらはヒヤヒヤ…。
気をつけようがないけど、気をつけるしかない。

だるま山高原レストハウスでトイレ休憩。
スタート時間を4:00あたりに早めて、もう少し早く到着していればお店も開いていて補給ができていたかもしれない。
トイレには張り紙がしてあって、「西伊豆スカイラインで腕試しをするな」とドライバー達への注意喚起がされていた。

画像だと分かりづらいけど、左奥に富士山がはっきりと見えたのでダウンヒルをストップして一枚撮影。
富士山はそれ単体で風景を絶景に格上げしてしまうところがある。
絶景への没入感、これがブルベの真骨頂なんて思う。
伊豆エリアが終わる頃には日が暮れた。
ここからは函南町を通って山越えをしていったんだけど、コントロール6の森の駅箱根十国峠看板までの道は細く、うっそうとした木々に囲まれた道を登っていくことになる。
夜に独りで入る山は根源的な恐怖を感じる。真っ当な人間のする行いではない(我々を含めて)。
時折民家がありはするものの、かなり怖かったことを覚えている。
そんな恐怖に耐えて登ってきたからこそ、狭い町道を抜けて景色が開け、伊豆の夜景が眼下に広がったときはホッと安堵した。

これは森の駅箱根十国峠からの夜景。
残念ながらここも到着時間が遅くてお店は閉店。トイレも使えなさそうだった。
膀胱が結構限界が近かったので小さく絶望したものの、近くに熱海峠料金所があり、そこのトイレが使えたので遅めの時間に到着した出走者は安心してもらいたい。
ここからコントロール7JR根府川駅看板まではダウンヒル基調になるが曲がるべきコーナーを見過ごさないよう警戒マックスで進んでもらいたい。
急勾配 + 悪路のダウンヒルで、路面に集中しているとミスルートが発生しやすいポイントになっている。
ミスルートに気づくのが遅れた場合、急勾配を登り返さねばならず致命傷になりかねない。
ここは時間をかけて進んでいってほしいゾーン。

ブルベで定番のPCとして使われている根府川駅。
馴染みのあるスポットにやってくると安心する。

根府川駅で獲得標高は4000mを超えた。
小田原が近くなると、バイクに乗ったやんちゃなキッズ達が現れた。
信号待ちでタイミングが合ってしまって、隣同士になる。
こうした手合はたまに声をかけてきたりするんだけど、相手にするのもトラブルになりかねないからなぁ。
なんて思いながらチラリとキッズ達を見ると、目が合ってしまった。
そしてフイッと目を逸らされてしまった。
疲れを顔ににじませて目をカッと見開いていており、かつ、謎の反射ベストを着た僕とは、あちらも関わり合いになりたくなかったのかもしれない。

根府川を超えたら予約していた小田原の宿はすぐそこ。
宿は路地裏にあって見つけづらかったものの、23時前には無事チェックイン。
こちらはロードバイクソックスなどに収納すればロードバイクを部屋に持ち込みOKなお宿で助かった。
小田原は繁華街なので屋外に駐輪するのは避けたい。
手早くライトやサイコンなどの機器の充電、洗濯、シャワーを済ませて24時頃にベッドに入る。
脚が火照ってなかなか寝付けなかった。